- 任せる力が生む成長とモチベーション
- トップダウンの限界を感じた瞬間
- 任せることの難しさと成長
- 任されることで芽生えるやりがい
- 任せることで得られる視点と余裕
- 「まかせる勇気」を持つことの大切さ
- まとめ
任せる力が生む成長とモチベーション
最近、『慶應高校野球部「まかせる力」が人を育てる』(加藤弘士著)という本を読み、心に響く言葉がありました。それは、慶應義塾高校野球部監督の次の言葉です。
「まかされるというのは、やりがいになりますよ。モチベーションを育てるのに、こんなにストレートな、いい方法はない」
(加藤弘士『慶應高校野球部―「まかせる力」が人を育てる―』新潮新書)
この一言が、私自身の指導や考え方に大きな変化をもたらしてくれました。
トップダウンの限界を感じた瞬間
私自身、指導者として選手に一方的に指示を出す「トップダウン型」の指導を試みていましたが、思うように選手たちのモチベーションが上がらないと感じることが増えていました。
一生懸命に教えたり指示を出したりしても、選手たちが自発的に動くことなく、受け身の姿勢にとどまることが多かったのです。
そんな中、この本で紹介されていた「まかせる力」という考え方に触れたことで、私の指導スタイルにも変化が生まれました。
任せることの難しさと成長
私は好奇心旺盛な性格で、「何でも自分でやりたい」という思いが強いタイプです。しかし、すべてを一人でこなそうとしても、現実的には限界があります。そこで、自分だけで抱え込むのではなく、選手やスタッフに思い切って任せることに挑戦してみることにしました。
具体的には、練習メニューの作成や試合のスカウティングなど、本来なら指導者として私が行うべきと考えていたタスクを、選手に任せてみました。もちろん最初は不安もありましたが、彼らに責任を持って取り組んでもらうと、次第に自発的な行動が増え、選手たちの表情が変わってきたのを感じました。
任されることで芽生えるやりがい
「任される」ということは、単なる責任ではなく、大きなやりがいにつながります。選手たちは、自分が任されたタスクに対して積極的に取り組むようになり、そのプロセスを楽しんでいるように見えました。自分の考えた練習メニューを実践することで成果が出たり、スカウティングした情報が試合で役立ったりする体験が、選手たちの自信や成長に直結していったのです。
任せることで得られる視点と余裕
また、任せることは、指導者自身にも多くのメリットをもたらします。すべてを自分でこなそうとするのは真面目な人ほど陥りがちなパターンですが、他者に任せることで心に余裕が生まれ、チーム全体を客観的に見ることができるようになります。選手が主体的に動く姿を見ていると、「指導者としての役割は、すべてを指示することではなく、彼らが自分で考え行動できる環境を整えることなのだ」と実感できました。
さらに、そうした環境は、指導者自身の精神的な負担を軽減する効果もあります。何でも自分で抱え込むとストレスがたまりやすくなりますが、チーム内で役割を分担することで、ストレスが緩和され、ポジティブな雰囲気を維持しやすくなります。
「まかせる勇気」を持つことの大切さ
任せることには勇気が必要です。全てを自分で管理したくなるのは自然なことですが、任される側にとってはそれが大きなやりがいになります。「自分は信頼されている」という感覚が、モチベーションを引き出す強力な原動力になるのです。
このように、「まかせる勇気」を持つことがチーム全体の成長と個々のモチベーションの向上につながると感じました。指導者自身も余裕を持ち、チーム全体を俯瞰することで、より効果的な指導ができるようになります。
これからも、自分がすべてを抱え込むのではなく、選手たちに「まかせる力」を信じて、彼らの成長を見守りながら指導を続けていきたいと思います。
まとめ
『慶應高校野球部「まかせる力」が人を育てる』を通じて学んだことは、任せることの重要性です。任せられた人はやりがいを感じ、成長します。そして、任せた側にも余裕が生まれ、チーム全体がポジティブな循環に入ります。
私自身も「まかせる勇気」を持ち続け、これからの指導に活かしていきたいと思います。あなたもぜひ、日常生活や仕事の中で、誰かに任せてみることを試してみてはいかがでしょうか。任せることで、きっと新たな気づきが得られるはずです。