指導の在り方を見直す時期 〜Bリーグのパワハラ問題から考える〜
先日、バスケットボールのプロリーグであるBリーグにおいて、パワーハラスメントの問題が報道されました。バスケットボール界全体が暴言・暴力の根絶に取り組んでいるにもかかわらず、こうした問題はなかなかなくなりません。なぜ、指導者による暴言や暴力が繰り返されてしまうのでしょうか。
私自身、SBT(スーパーブレイントレーニング)を学んでから、暴言や威圧的な態度が選手に与える悪影響を強く認識するようになりました。脳にマイナスの記憶データを蓄積させることは、選手のパフォーマンスの低下やモチベーションの喪失、さらにはバーンアウト(燃え尽き)に繋がる可能性があります。短期的には効果があるように見えるかもしれませんが、長期的には選手の成長を阻害する大きな要因となります。
感情のコントロールができる指導者であること
指導者自身が感情を適切にコントロールできていなければ、選手に良い影響を与えることはできません。怒りや苛立ちに任せた言動では、選手との信頼関係は築けません。むしろ、脳にとって安全でポジティブな環境をつくることが、選手の能力を最大限に引き出す鍵となります。
SBTを通じて私が深く印象に残っている言葉に、「知識の低さは意識の低さ」というものがあります。この言葉は、私たち指導者にとって非常に重く、深い意味を持っています。知識がなければ、良い指導も適切なマネジメントもできない。逆に言えば、知識を身につけることで、よりよい意識と行動が生まれるということです。
バスケットボール界に脳科学的な知見を
今のバスケットボール界では、こうした脳科学的な知識がまだ十分に浸透していないと感じています。そのため、暴言や精神論に頼った指導が残ってしまう現状があるのではないでしょうか。私は、SBTの学びを通じて得た科学的根拠に基づく指導法を、バスケットボール界にもっと広めていきたいと強く思っています。
選手一人ひとりの個性と可能性を尊重し、安心して挑戦できる環境を整えること。それが、これからの時代に求められる指導者の役割だと感じています。そして、そうした指導が当たり前になる未来を目指して、日々自分自身の指導力も磨き続けていきたいと思います。
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