SBTアスリートメンタルコーチのブログ@佐々木瑛

大谷翔平選手も高校時代に学んだSBT(スーパーブレイントレーニング)でいつでもプラス思考に切り替えられる方法を発信します。

成功への道標:キャリア全体を俯瞰する

仕事や日々のタスクに追われ、「なんで自分だけこんなに苦しい思いをしているんだろう」「今の努力は本当に報われるのだろうか」と、行き詰まりを感じてしまうことはありませんか?

真面目で一生懸命な人ほど、目の前の仕事に全力で向き合うがあまり、視野が狭くなりがちです。そして、思い通りにいかない現状や、理不尽なトラブルといった「目の前の苦しみ」だけで頭がいっぱいになり、心身ともに消耗してしまいます。

もしあなたが今、そのような苦しさのど真ん中にいるのなら、ぜひ試していただきたいメンタルハックがあります。

それは、一度立ち止まり、「自分のキャリア全体を俯瞰(ふかん)的に観てみる」ということです。

なぜ、目の前のことだけを見ると苦しくなるのか?

私たちの脳は、ストレスや危機を感じると、自己防衛のためにその「問題点」にのみ一点集中するようにできています。カメラのズーム機能で、対象物に極限まで寄っている状態をイメージしてみてください。周りの景色は完全にぼやけ、視界には「巨大な障害物」しか映らなくなります。

この「ズームイン」の状態では、苦痛や困難が実際よりも何倍も大きく感じられます。 「この苦しい状態が永遠に続くのではないか」 「このミス一つで自分のキャリアは終わってしまうのではないか」 そんな極端な思考に陥り、メンタルが押し潰されそうになってしまうのです。

しかし、実際のあなたのキャリアや人生は、今目の前にあるその出来事だけで決まるほど、ちっぽけなものではありません。

カメラのズームを引き、キャリアを「一本の線」で捉える

苦しい時こそ、意図的に心のカメラのズームをグッと引いてみましょう。現在という「点」だけを見るのではなく、過去から未来へと続く「キャリア全体という長い線」として、自分自身の人生を上空から見下ろすように眺めてみるのです。

例えば、あなたが今、非常に理不尽で困難なプロジェクトを任され、毎日心が折れそうになっているとします。目の前のことだけを見れば、それは単なる「苦痛」であり「逃げ出したい現実」です。

しかし、視点を「10年後の理想の自分」にまで引き上げてみましょう。あなたが10年後、独立して自分のビジネスを大成功させている、あるいは大勢のメンバーを牽引する素晴らしいリーダーになっている姿を想像します。

その「成功した未来の自分」の視点から、現在の苦労を振り返って眺めてみてください。すると、どう見えるでしょうか?

今直面している理不尽なトラブルは、「将来、どんな困難にも動じない強靭なメンタルを作るための最高のトレーニング」に変わるはずです。人間関係の軋轢(あつれき)は、「人の心理を深く理解し、最高のチームを作るための教訓」に見えてくるでしょう。

脳は「意味」を理解した瞬間、前を向く

人間は、「意味のない苦痛」には長く耐えることができません。いくら頑張っても無駄だと思えば、心は簡単に折れてしまいます。

しかし、視座を高くし、「今のこの苦しい出来事は、自分の将来の成功に絶対に欠かせない必要なプロセスなのだ」と脳が認識できた瞬間、すべてが変わります。

脳内で、目の前の壁が「単なる障害物」から「未来の成功のための重要な踏み台」へと意味を書き換えられるのです。意味を見出した脳は、もう苦痛を避けることばかりを考えるのではなく、「この試練から何を学べるか?」「どうやってこれを乗り越えて成長するか?」という、達成に向けたポジティブな思考へとシフトチェンジします。

俯瞰的な視点を取り戻すための3つのアクション

日常の中でこの「俯瞰力」を取り戻すために、今日からできる具体的なステップを3つご紹介します。

  • 1. 時間軸をずらす魔法の質問を投げかける 苦しい時、「この悩みは、5年後の自分にとっても同じように重大な問題だろうか?」と自問してみてください。多くの場合、「5年後には笑い話になっている」「すっかり忘れているだろう」と気づき、心がスッと軽くなります。

  • 2. キャリアのタイムラインを紙に書き出す ノートに横線を一本引き、左端を「社会人のスタート」、右端を「理想のゴール」とします。そして今自分がどの位置にいるのか、今の苦労がゴールに向けてどんな役割を果たすのかを書き込んで視覚化してみましょう。

  • 3. 今の苦労に「ポジティブな名前」をつける ただの「雑務」を「全体像把握トレーニング」に、「クレーム対応」を「顧客心理マスター講座」など、自分の成長に繋がる名前に変換します。言葉を変えるだけで、取り組む姿勢は劇的に変わります。

最後に

日々のメンタルコーチングの現場でも、数多くの素晴らしい才能と出会ってきました。その中で、どんな逆境にあっても決して折れず、最後には大きな花を咲かせる人たちには共通点があります。

それは、「今の苦労を、未来の成功への伏線だと信じ切っている」ということです。

今、目の前の壁が高くて苦しいと感じているあなたへ。 それは決して行き止まりではありません。あなたがさらに大きなステージへと進むために、どうしても必要な通過点です。

大きく深呼吸をして、ズームを引いてみましょう。あなたの長いキャリア全体を見渡した時、今のその苦しみは、未来のあなたが「あの時の壁があったからこそ、今の自分がある」と心から感謝する、最高のギフトになるはずです。