振り子から学ぶ感情の法則 - バスケ×SBTメンタルコーチのブログ@佐々木瑛

私たちは失敗や負けを経験したときに、それをどのように捉えるでしょうか？おそらく多くの人は、悔しさや落ち込みを感じるでしょう。しかし、実はこの「苦しい経験」があるからこそ、その後の「喜び」がより大きなものになるのです。

ここで、「振り子」をイメージしてみてください。振り子が左右に振れるとき、振れ幅が大きければ大きいほど、反対側にも大きく振れていきます。このイメージを、私たちの「感情」に当てはめてみましょう。

仮に、振り子の左側が「喜び」、右側が「苦しみ」だとします。そうすると、苦しい経験をすればするほど、次に喜びを感じる瞬間も大きくなることがわかります。逆に、成功して大きな喜びを感じた後には、それに見合った苦しみが訪れる可能性もあるのです。これを西田文郎氏は「振り子の法則」と呼んでいます。

もし今、思うような結果が出ずに苦しい思いをしているのなら、それは「次の大きな喜びを得るチャンス」なのかもしれません。苦しみが大きいほど、それを乗り越えたときの達成感は計り知れないものになります。

例えば、スポーツの試合で敗れたとします。その悔しさを感じながらも、「この経験があるからこそ、次に勝ったときの喜びが倍増するんだ」と考えることで、前向きなエネルギーへと変換することができます。

ビジネスの場面でも同じことが言えます。新しいプロジェクトが思うように進まず、失敗したとしても、その過程で得た学びを次の挑戦に活かすことで、より大きな成功を手にする可能性が高まります。

一方で、この「振り子の法則」は逆のパターンでも成り立ちます。大きな成功を手にしたときほど、次に訪れる困難も大きくなりやすいのです。

例えば、大会で優勝したチームは、次のシーズンで「連覇」へのプレッシャーがのしかかります。成功したことで、周囲からの期待値が上がり、それに応えるための努力が必要になります。

ビジネスの世界でも、急成長した企業は、その後の市場環境の変化や競争激化によって、大きな試練に直面することがあります。成功に浮かれていると、その反動で一気に苦境に立たされることになりかねません。

だからこそ、成功したときこそ気を引き締め、次に訪れる試練に備えることが重要なのです。

この振り子の考え方を意識すると、感情の浮き沈みに振り回されることが少なくなります。

苦しいときは、「次に大きな喜びが来る」と考える
失敗や挫折をしたときに、「この経験があるからこそ、次の成功がもっと嬉しくなる」とポジティブに捉えることで、前向きに行動できるようになります。
成功したときこそ、気を引き締める
「この成功の後には、必ず試練が訪れる」と心に留めておけば、油断することなく、次の挑戦に向けた準備ができます。
感情をコントロールする習慣をつける
感情の浮き沈みが激しくなると、冷静な判断が難しくなります。「今は振り子がどちらに振れているのか？」と自分自身を客観的に観察することで、メンタルを安定させることができます。