科学的に裏付けられた「教えるスキル」とは？
先日、SBTマスターコーチである飯山晄朗氏の著書『科学的に裏付けられた教えるスキル』を読みました。この本には、脳科学的な観点から効果的な指導方法が詳しく解説されており、私自身の指導にもすぐに活かせる内容が多く含まれていました。特に、SBT（スーパーブレイントレーニング）の考え方をどのように伝えていくか、具体的なアプローチが整理されていた点が非常に参考になりました。
脳のタイプに応じた指導法
本書では、人間の脳を大きく4つのタイプに分類し、それぞれのタイプに合った言葉がけをすることの重要性が述べられています。
- 拡大脳 - 新しいアイデアを生み出すのが得意なタイプ
- 協調脳 - 感情や共感を重視するタイプ
- 合理脳 - 論理的に物事を考えるのが得意なタイプ
- 専門脳 - 一つのことを深く掘り下げるのが得意なタイプ
これまで、指導する際には「どのように伝えれば理解しやすいか」を考えていましたが、それ以上に「相手の脳のタイプに合った伝え方をする」という視点が重要であることを再認識しました。
「問いをデザインする」ことの重要性
本書の中で特に印象に残ったのは、「問いをデザインする」という考え方です。脳には「問いを投げかけられると、それに対する答えを必死に探そうとする性質」があります。そのため、指導者が適切な問いを投げかけることで、相手は自然と答えを見つけようとするのです。
例えば、「なぜこのプレーがうまくいかなかったのか？」と聞くのではなく、「どうすれば次は成功すると思う？」と問いかけることで、選手は前向きに考え、主体的に改善策を見つけることができます。単に「教える」のではなく、選手自身が答えを導き出せるような問いを設定することで、成長を促すことができるのです。
科学的に裏付けられた指導の重要性
スポーツ指導においては、経験や感覚に頼る部分が大きいですが、本書を読むことで「科学的なエビデンスに基づいた指導の重要性」を改めて実感しました。選手の脳のタイプに応じた言葉がけや、適切な問いのデザインを活用することで、より効果的な指導が可能になります。
特に、SBTの考え方と組み合わせることで、選手がポジティブなイメージを持ち、自ら考え行動できる環境を作り出すことができると感じました。指導者として、常に最適な方法を模索しながら、選手の成長をサポートしていくことが大切だと改めて思いました。
すべての指導者におすすめの一冊
本書は、スポーツの指導者だけでなく、教育やビジネスの現場でも役立つ内容が詰まっています。どのようにすれば相手が理解しやすく、実践しやすい形で指導できるのかを考えるヒントが多く得られる一冊です。
「教える」という行為は非常に奥が深く、ただ知識を伝えるだけではなく、相手の脳の特性を理解しながら適切なアプローチを取ることが求められます。科学的に裏付けられた方法を活用し、より効果的な指導を目指していきたいと強く思いました。
これからも、最新の知識を学び続けながら、指導スキルを磨いていこうと思います。指導に携わる方には、ぜひ一度読んでみてほしい一冊です。
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