バスケ×SBTメンタルコーチのブログ@佐々木瑛

大谷翔平選手も高校時代に学んだSBT(スーパーブレイントレーニング)でいつでもプラス思考に切り替えられる方法を発信します。

真のコーチングとは?:『最高のコーチは教えない』を読んだ感想

『最高のコーチは教えない』を読んで考えたこと

吉井理人氏の著書『最高のコーチは教えない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を読んで、コーチングの本質について改めて考えさせられました。私はバスケットボールとSBT(スーパー・ブレイン・トレーニング)のコーチとして活動していますが、この本は「コーチの仕事とは何か」という視点を広げてくれる一冊です。従来の「教えることがコーチの役割」という固定観念を見直すきっかけとなり、これからの指導スタイルに新たな視点を加えていく必要性を感じました。

「教えない」コーチングの意義

本書の中で特に印象に残ったのが次の一文です。

 「コーチの仕事は、選手が自分で考え、課題を設定し、自分自身で能力を高められるように導くことだ。本書のタイトル『最高のコーチは教えない。』には、『指導者=教える人』という常識を覆さないと、メンバーの能力を最大限に発揮させることはできない、という思いが込められている。」

 

私たちの多くは、コーチの役割を「教える人」と考えがちです。しかし、本書ではそれを「選手が自ら学び、考え、行動できるように導くこと」に転換する重要性が語られています。この考え方は、私自身が感じていた疑問とも一致しました。コーチングは単に技術や知識を伝えるだけでなく、選手の主体性を引き出すプロセスであるべきだと改めて確信しました。

 

主体性がもたらす脳のポジティブな変化

選手が主体性を持つことで、脳内でどのような変化が起こるかについても、本書を通じて深く理解することができました。脳科学の観点から見ると、指導方法によって脳内ホルモンの働きが大きく変わります。

 

 トップダウン型指導の影響
コーチがトップダウンで指示や叱咤を繰り返す場合、選手の脳にはストレスがかかり、ノルアドレナリンというホルモンが分泌されます。このホルモンは一時的には集中力や注意力を高める作用がありますが、過剰になると以下のような弊害を引き起こします:

・極度の緊張によるパフォーマンス低下
・判断力や思考力の低下
・長期的なモチベーションの喪失

 

主体性が生むポジティブな効果
一方で、選手が自ら課題を設定し、目標を持って楽しみながら取り組むと、脳内でドーパミンやアドレナリンが分泌されます。これにより、次のようなポジティブな効果が得られます

・内発的動機づけの向上  
・持続的なエネルギーの創出
・パフォーマンスの最大化

 

これらの科学的な裏付けからも、選手が主体的に行動できる環境づくりが重要であることがわかります。

 

強い言葉のリスクと信頼の構築

吉井氏は、コーチが選手に対して強い言葉を使うことのリスクについても警鐘を鳴らしています。

「コーチが強い言葉を使いすぎると、上下関係が余計に強調され、味方であるはずのコーチが、選手にプレッシャーをかけることになってしまう。それは注意しなければならない。」

 

指導において、選手が「コーチは自分の味方だ」と感じることは非常に大切です。強い言葉で上下関係を強調してしまうと、選手は不必要なプレッシャーを感じるようになり、コーチとの信頼関係が損なわれる可能性があります。信頼を築くためには、選手の意見に耳を傾け、その主体性を尊重する姿勢が求められます。

 

実践に向けての決意

本書を読み、私自身のコーチングスタイルを見直すきっかけになりました。特に以下の点を意識していきたいと考えています:

1. 選手が自ら考える時間を与える 
   課題の答えを与えるのではなく、選手が自分で解決策を考えられるようサポートする。

2. 目標設定を選手自身に委ねる 
   コーチの価値観を押し付けるのではなく、選手が自らの目標を設定できる環境を整える。

3. 適切なタイミングでフィードバックを行う 
   プレッシャーを与えるのではなく、選手が成長を実感できるようなフィードバックを心がける。

 

教えすぎない勇気

『最高のコーチは教えない』は、従来のコーチングスタイルに疑問を投げかけ、選手主体の指導法を提案する貴重な一冊でした。この本を通じて、選手に「教える」のではなく、「選手自身が答えを見つけられるように導く」という視点がいかに重要かを学びました。

コーチングにおいて、時には教えるのを我慢することも必要です。それは、選手が自らの力で課題を乗り越える喜びを知り、成長していくプロセスを見守る勇気でもあります。

 

 最後に

『最高のコーチは教えない』は、スポーツだけでなく、教育や職場での指導にも応用できる内容が満載です。選手やチームメンバーが主体性を持って成長するためのヒントがたくさん詰まっています。興味を持った方はぜひ一度読んでみてください。指導者としてだけでなく、人としても新しい視点を得られる一冊だと思います。

 

 

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