前回は、私たちの脳が「言葉」という出力よりも、実際に体験した「入力」を重視するというお話をしました。今回は、その続きとして、脳が「言葉」よりもさらに重視するものが何か、そしてそれを日常生活やスポーツにどう活かしていくかについて深掘りしていきます。
脳は言葉より動作・表情を信じる?
皆さんは、「できる!」「大丈夫!」と心の中で唱えながら、うつむき加減で暗い表情をしている時、本当に気持ちが前向きになりますか?逆に、「無理だ…」と心の中で呟きながらも、大きくガッツポーズをしている時、心が重く感じますか?
実は、私たちの脳は、言葉よりも動作や表情を重視する傾向があるのです。これは、脳の構造的な特徴が大きく関わっています。感情を司る領域と、動作や表情を司る領域は、脳の中で非常に近い位置にあるからです。つまり、言葉よりも動作や表情の方が、私たちの感情にダイレクトに影響を与えるということです。
言葉と行動のギャップを埋める
この脳の仕組みを考えると、いくらポジティブな言葉を口にしても、動作や表情がネガティブであれば、心はなかなか晴れやかにならないことが分かります。逆に、ネガティブな言葉を口にしても、動作や表情がポジティブであれば、心は思っている以上に前向きになれる可能性があるのです。
状況に応じた「感情のスイッチ」を作る
この脳の仕組みを、日常生活やスポーツに活かしてみましょう。例えば、上司に怒られたり、失敗して気分が落ち込んだ時、すぐに「切り替える動作」を取り入れるのです。指をパチパチ鳴らす、深呼吸をする、大きく伸びをするなど、どんな動作でも構いません。この動作を繰り返すことで、脳は「この動作=気持ちを切り替える」と学習し、その動作をするだけでネガティブな感情から抜け出すことができるようになります。
逆に、嬉しいことや楽しいことがあった時は、ガッツポーズをする、大きくジャンプするなど、ポジティブな感情を強化する動作を取り入れましょう。この動作とプラスの感情を結びつけることで、将来、似たような状況になった時に、同じ動作をするだけでプラスの感情を呼び起こせるようになります。
特にバスケットボールなどのスポーツでは次々にプレイが続いていくので、ミスをして落ち込んでいる暇はありません。そのため、こういった切り替えの動作を「前もって準備しておく」という事が非常に重要になるのです。
笑顔は最強の魔法
そして忘れてはいけないのが「表情」です。人は嬉しいから笑うのではなく、笑うから嬉しい気持ちになるのです。これは、脳の仕組みから見ても明らかです。普段から意識して笑顔を作ることで、自然と心が明るくなり、周囲の人にも良い影響を与えます。
言葉と行動の相乗効果で、より豊かな人生を
言葉も大切ですが、言葉以上に影響力を持つ動作や表情を効果的に使うことで、私たちはより豊かな感情を手に入れることができます。状況に応じて、言葉と行動を組み合わせることで、より高い目標達成へと繋がっていくでしょう。
まとめ
- 脳は、言葉よりも動作や表情を重視する
- 動作や表情を変えることで、感情をコントロールできる
- 状況に応じた「感情のスイッチ」を作ろう
- 笑顔は、心と体を元気にする魔法
- 言葉と行動を組み合わせることで、より豊かな人生を
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